独りの世界に用はない。
こんな世界は望みじゃない。
硝煙は、道しるべ。
この顔の傷は、復讐の怨嗟。
世界は、俺を独り取り残して回り続ける。
そんな世界に、用はねぇ。
34 :ターゲット
+ガット vs 牟白+
「ごめんね凌・・・」
幻覚と言えど、一度負った怪我は治らない。
痛みに耐えながら扉を開き、長く続く廊下に向かって小さく呟いた。
約束、破っちゃった。
だって、止められなかったんだよ。
殺したくて、殺したくて、しょうがなかったんだ。
言い訳をつらつらと心の中で呟きながら、ベーカーは重い足を進めた。
しかしいい加減疲れて、壁に寄りかかり座り込む。
「火傷・・・ひどいなぁ・・・」
左腕がひどく熱い。
ヒリヒリして、空気に触れさせるのを躊躇うほどに。
「少し、休憩・・・」
誰に言うわけでもなく、ちいさく囁くと静かに瞼を閉じた。
+++
目の前で止まっている銃弾を見据え、牟白がガットを睨み付けた。
凌を狙っていた筈の銃口が、一瞬にして方向を変えて牟白を狙ったのだ。
もし凌が目の前の空間を固めてくれていなかったら・・・
なかなかぞっとする想像だ。
「・・・へぇ? 反応速度が上がったか? 獏」
「そんな事よりどーゆーつもりだ? 何で牟白を狙うんだよ」
「ソイツが俺のターゲットだからだ」
にやり、と笑うガットに目を見開いた。
牟白が刀を抜く。
「リーテの情報だとてめぇらは俺と獏を戦わせたかったらしいけどな」
「・・・」
「生憎、こっちじゃその赤髪の方が俺のターゲットって事になってんだよ!!」
目の前の凌を蹴り飛ばし、牟白に向かって銃口を構える。
蜂巣になるほどの銃弾が牟白を狙うが、綺麗にそれらは粉々になって地面にこぼれ落ちた。
それを見たガットが後ろへ飛んで体勢を整える。
「い〜い判断だ、十字傷野郎」
煙が靡いて牟白の姿が見える。
しかしそれよりも先に、半透明な“ソレ”が目にはいった。
牟白を囲うように足下をちらちらと燃やす微かな炎。
「あと一歩踏み出してりゃ、てめぇもこの結界で粉々だぜ?」
歪な笑みを零した牟白は、片手に刀を持ったままガットに鋭い視線を送った。
+++
宮武神社。
それは極普通の人間の神社で、どこにでもありがちな場所だった。
牟白はそこに今から540年ほど前に生まれた。
生まれた時からその鮮やかな赤い髪を持っていた。
突然変異か、と最初は恐れた一族も、通常の子と変わらない牟白を次第に愛していき、髪の色なんてきにするものはいなかった。
しかし、それもすぐに終わる。
牟白は、ひどく成長が遅かった。
何年、何十年たっても大きくならない。
まるで人の人生を30倍したような緩やかな速度で、彼は成長する。
当然のことながら、彼がまだまだ幼い頃に、両親は老死した。
神社に仕える者達も、牟白を残してどんどん老けていく。
そして次第に、彼は“神の力を持った子”として崇められ、畏怖され、“神子”と称された。
その存在は異常である。
赤い髪は不吉を呼ぶ目印ではないか、と言われた事もある。
何世代にも渡って、牟白は神社で保護されてきた。
いや、それは軟禁に近かったかもしれない。
外に出れず、遊びにも行けず、ただ神社の敷地内だけが牟白の居場所だった。
牟白は大きくなるにつれて、自分を畏怖する者達、距離を置こうとする者達を嫌悪し、自らの身を守るための術を作り上げた。
それが、二本刀による“二段式封印術・円舞”。
代々“二重円【◎】”を紋としてきた宮武神社のそれから取って、闇の世界でも生き残るための術が、それだった。
+++
「“二段式封印術・円舞”」
足下の炎を薙ぎ払い、一歩足を踏み出した牟白がガットを見た。
その手に握られている刀が鈍色の光を灯す。
「俺が創った術だ。封印してやろうか?」
「カッ。何かと思ったら封印術かよ。つまんねーなァオイ」
「ネズミでも捕まえる気か?」と冷笑するガット。
「俺も色んな術を見てきたがよぉ、てめぇみてぇに普通、術を掛ける時は陣を書くもんだ」
「・・・」
「てめぇの陣は火か?」
にや、と笑ったガットが瞳孔の開いた瞳で牟白に銃口を向ける。
「そりゃぁ残念だったなぁ!!」
撃ち込まれた銃弾を回避するために結界を張ると、不意に煙で視界が悪いなか、黒い服が目の前にはためいた。
見ればガットがすぐそこまで来ていて、どこから取り出したか分からないバズーカを構えている。
まずいッ
どっからんなもん取り出したんだよ!!と悪態つきながら、足下の陣を消す。
慌てて避けると、バズーカの銃弾は頭上を通り過ぎて背後の壁に穴を開けた。
冷や汗を垂らす牟白。
不意に、彼の首を誰から掴んだ。
「よそ見してんじゃねーよ!!」
息苦しいと感じたその時にはもう既に、ガットに首を掴まれたまま背後へ投げ飛ばされた。
さっきのバズーカで空いた壁の穴を擦り抜けて隣の部屋に吹っ飛ぶと、ドボン!!と予期せぬ水の感覚を体で感じ取る
水?!・・・いや、お湯?!
息をしようと体を起こす。
するとそこが大浴場だと言う事にようやく気が付いた。
「言ったろ? 残念だったなぁって」
壁の穴を跨いで入ってきたガットが、ずぶ濡れの牟白を見下ろした。
「この湿気の多い場所で、火ィ・・・使えるか?」
+++
「いでで・・・」
相当飛ばされたな・・・と穴のあいた壁を何重にも見やり、凌が上半身を起こした。
あーちくしょう、面倒くせぇ。
立ち上がってコートの埃を払う。
「山本!!」
首の関節をゴキゴキと鳴らしながら調子を戻していると、前方から小走りに寄ってくる亜月が見えた。
半分泣きそうな顔をしていて、やっぱり連れて来るんじゃなかったと軽く後悔する。
ホントに面倒だなー・・・ったく。
とりあえず落ち着かせようと軽く手を挙げる。
いつもの無表情を見た亜月が少しほっとした顔になるが、直ぐさま彼女の綺麗な瞳が見開いた。
「浅はかですね。こんなところにまで連れて来るとは」
冷め切った声。
凌が亜月の居る方へと足を踏み出すより先に、それは亜月の首を打って気絶させた。
「blackkingdom第U席。ソルヴァンと申します」
「・・・てめぇ、亜月を寄越せ」
「別に構いませんよ。人間とのハーフなんて目障り以外の何者でもない」
倒れかけた亜月を受け止めていたソルヴァンが、容赦なく凌へ向かってその体を投げた。
それを上手く受けて、近くの壁にもたれ掛からせた。
凌の紅色の瞳がひどく冷たくソルヴァンを捕らえる。
+++
「ギャハハハハハハ!!!」
大声を張り上げて止むことのない銃弾の嵐を浴びせるガット。
両の手に握られた拳銃はどうやら弾の制限はないらしい。
まったく便利な武器だぜ・・・と牟白も心の中で悪態ついた。
大浴場は湿っぽい。
ガットの言ったように、これだけ湿気の多い所では牟白の炎を使った陣は描けない。
つまりは刀と銃の一騎打ちと言う事になる。
くそったれが。
中遠距離型の武器と近距離型武器じゃ分が悪いどころの話じゃねぇ。
懐に入っちまえばこっちのモンだが・・・
相当殺しに慣れているんだろう。
ガットの銃撃に隙はない。
いや、それ以前に牟白が今身を隠している瓦礫越しにでも、明らかに致命傷を負わせるポイントを的確に突いてきている。
飛び出せねぇ・・・ッ
どうする?!と思考を巡らせる中、ガットが「オイ!!」と大音声を上げた。
「いつまで隠れてるつもりだ?! アァ?! さっさと出てこいよ!! 穴だらけにしてやるぜ?!」
ぜってー出て行きたくねぇ。
とは言っても瓦礫もいい加減限界だ。
おそらく同じ場所を何度も撃ち抜かれているせいだろう、瓦礫にヒビが入り始めている。
どんだけ銃撃に長けてんだ・・・
瓦礫に入ったヒビをちらりと見やり、大浴場の中を見まわした。
何か、何かねぇのか!!
ふとその時、ある物を見つけた。
「オイオイ、そろそろ飽きてきたぜ?」
白けた声が背後から聞こえ、一瞬だけ銃撃が緩んだ。
ハイテンポだった攻撃が微かにリズムを失う。
その隙をついて瓦礫を飛び出し、目の前にあるシャワーをひっ掴んだ。
蛇口を最大に開いてガットにシャワーを向ける。
顔を背けて一瞬怯んだ間に、ガットの脇を通って廊下へ出た。
扉を蹴り飛ばせば、また長い廊下が続いている。
さっきの衝撃で空いた壁の穴から見えた“ソレ”に従って足を進め、目当ての部屋に飛び込んだ。
「てめぇちょろちょろと逃げてんじゃねぇぞ!!」
全身ずぶ濡れになったガットが大浴場を飛び出し、微かに見えた牟白の後ろ姿に発砲する。
ひらりとそれを交わして部屋に飛び込んだ彼を追ってそこへ入れば、いつもは来る事のない厨房だった。
厨房・・・?
お湯で濡れて顔に張り付く髪を掻き上げ、念のために天上に付いているスプリンクラーの脇を撃ち抜いた。
まるで雨のように降り注ぐ水。
しんと静まりかえり、水音しかしない部屋。
ゔぁかが。
俺の本業は暗殺だ。
隠れて俺を狙ってるんだろうがそうはいかねぇぞ。
「いい加減出てきたらどーだぁ?!」
声を張り上げつつ部屋の隅から隅へと視線を流す。
耳を欹てて全ての音に聞き入った。
カタ
微かに聞こえた音。
それを聞き逃す事なく、ガットは迷わず音のする方へ銃弾を撃ち込んだ。
ガタァン!!と銃声にかぶって何かが倒れる音がする。
にやりと笑みを零し、銃口をそこへ向けたまま近付いた。
「よォ、鬼ごっこは終わりか?」
「・・・ケッ」
どうやら右足右腕に銃弾を受けたらしい。
牟白が苦痛を顔に浮かべながら座り込んでいた。
それを確認して歪な笑みをガットが零した。
「やっぱスリルねぇなぁ!! アイツほどの戦士はそうそういやしねぇ!!」
「アイツ・・・? 誰だそりゃ?」
腕一本で体勢を整えようとする牟白。
ガットは牟白の傍にある一本の刀を蹴り飛ばすと、銃口を額に当てて目の前にしゃがみ込んだ。
スプリンクラーの水が二人に降り注ぐ。
「俺の唯一の理解者だ」
「は? 何だてめぇ友達すくねぇのか?」
皮肉ぶる牟白を無視して、ガットが目を細める。
「ダチ? んなもん要らねぇよ。そんなくだんねーもんに興味はねぇ」
「じゃぁソイツは何なんだよ? 理解者っつったら少なからず“知り合い”よりは上なんだろ?」
「・・・カッ。いいぜ、冥土の土産に覚えとけ」
鋭い目で睨み付けてくる牟白を冷めた目で見下ろすガットが唇を開いた。
「俺とソイツは、とある奴らのクローンだ」
クーロン?!
馬鹿な。
クローン研究は今は人間界でも行われているが人間にはタブー。
そしてソレは闇の世界でも同じで、悪魔や天使なんかには決してやっちゃならねぇ研究のはずだ。
まさかと言う顔をする牟白に、ガットは凶悪な笑みを見せる。
「研究所のお偉いサンの勝手な意向でよぉ、たった数ミリの細胞から数百の実験台を経て、俺は生まれた」
「・・・人型での成功率はかなり低い筈だぜ?」
「その通り。だから言ったろ?」
まるで自分を蔑むように笑うガットが、何故が凌とかぶって見える。
妙な幻覚が見えるぜ、何で凌とコイツがかぶるんだよ。
「俺は数百の“俺”を犠牲にして生まれたってよ」
「・・・」
「アイツもそうだ。何百回の失敗の中で生まれた唯一の完成。ま、俺とは違うオリジナルから生まれたクローンだけどな」
重い腰を上げて立ち上がるガットは、銃口を牟白に向けたまま。
ばしゃばしゃと床に溜まってきた水が、やけに冷たい。
「獏から聞いてんだろ? 俺は元々whiteにいた。ソイツはまだそこにいる。だから俺はそこに戻んなきゃなんねーんだ」
「自分と同じクローンだから、自分の気持ちを理解してくれる・・・だから傍に居るってやつか? ケッばからしいぜ」
「何とでも言え。てめーらに俺らの気持ちなんざ分かりゃしねぇよ」
ぐっとガットの引き金に添える指に力が入ったのを見て、牟白が体を捻った。
背中の皮を一枚すって床にめり込んだ銃弾。
間髪入れずに次の銃撃を繰り出すガットの足下に、今まで握りしめていたそれを放り投げた。
それは厨房にあった小さなライター。
「あん?」と視線を落とすガットの皮張りのブーツに、火が乗り移る。
驚いて避けるガット。
んだ?!
何で水浸しの中で火がつく?!
まだ頭上からスプリンクラーが廻っている事を確認するが、足下は一気に炎立つ。
目の前の牟白を睨めば、その手に数本の酒を持っていた。
「・・・水に酒を流しやがったな・・・」
「さっき大浴場の壊れた壁の隙間から厨房のマークが見えてな。もしかしたらと思ってここに飛び込んだんだ」
「しかもご丁寧にスプリンクラーを回してくれたおかげでバレずに酒が流れでてくれたぜ」と笑う牟白。
ちっ。やられた。
コイツ、俺の話を聞いてるフリしてずっと酒瓶を引っ繰り返してやがったんだ。
立ち上がった牟白がさっきガットがけっ飛ばした刀を手にして、腰に納めたままだったもう一本の刀も抜き去った。
メラメラと燃え上がる足下と、まだ降り続けるスプリンクラーの雨。
目眩がする中、ガットが牟白を見た。
「話の礼に見せてやるぜ?」
「チッ」
「“二段式封印術・円舞”一刀流“放火”」
一歩大きく踏み出した牟白の脳天へ向けて銃弾を放つ。
牟白はくるりと右の刀で自分を中心に円を描いた。
銃弾はそれを境に砂のように風化していく。
「俺の術はな、一刀流“放火”と二刀流“紅蓮”ってのがあってよ?」
「・・・」
「放火は今みてぇな結界・・・つまり自分を“仮”封印して外界との干渉を断つ。だがそれに比べて紅蓮は・・・」
キラリと光った二本の日本刀がガットを映す。
「相手を結界の中に取り込み閉じこめる。炎の檻の事を言う」
「今ここで火葬してやるぜ?!」と踏み込んだ牟白がガットの懐に入る。
身を捩って刀の切っ先を避けるが、胸を十字に斬り込まれ、血が溢れた。
微かに右の斬り込みが甘いのは、さっきのガットの銃撃のせいだろう。
牟白の出血も酷い。
炎立つ部屋の中は熱気が立ち込み、汗が噴き出すがスプリンクラーから溢れる水が止めどなくそれを流していった。
視界が悪い・・・!!
煙や水や汗で目を細めるガット。
しかしそれに対して牟白はゴーグルがあるお陰でさほど支障はないらしい。
クソッと心の中で悪態つく。
不意にザクッと左脇腹を深く斬り込まれた。
「クッ」
「近距離は苦手か?!」
このまま押し進む!!
もう一歩踏み出し、牟白が刀を構えた。
二本の刀を揃えてガットの周りに二重の円を描く。
刀の切っ先にそって、足下で燃える炎が円を描いた。
「焼け焦げろ!!」
牟白の叫びが遠くで聞こえる。
視界一杯に炎が広がり、まるで炎の球体が自分を包み込むようだった。
熱い。
閉じこめられる、と思ったその時にはもう既に遅くて、360度全てが炎に包まれていた。
意識は朦朧とするし、息苦しい。
肌の焼ける匂いがする、気持ち悪い。
ふざけんな。
俺はこんなとこでくたばってらんねぇんだ!!
「ざけんじゃねぇぇぇぇえ!!」
+++
いくつもの死体を見てきた。
同じ顔、全部、俺と同じ顔の死体。
人の形をしていなかったり、臓器が足りなかったり、脳が発達していなかったり。
おぞましい研究だった。
そんな中で、俺は絶望に打ちひしがれていった。
こんなトコにいたくない。
俺の事を誰も見ていない。
俺は、オリジナルのコピー。クローン。
俺は・・・
俺は誰だ?
俺という存在が分からなくなる事なんて、しょっちゅうあった。
暗闇の中に独り取り残されたような、世界にたった独りのような。
そんな感覚は何度も味わった。
アイツだけだったんだ。
「俺は俺だ。他の誰でもねぇ。お前だってそうだろ」
俺を、俺として見てくれた。
俺を“ガット・ビター”として見てくれたんだ。
「世界に名前を轟かせて、世界中の奴らに俺の存在を知らしめてやる。お前はどうする?」
俺はお前のその信念に惚れたんだ。
お前についていこう。
傍にいよう。
本当はお前も俺と同じように不安定な事を知っているから。
お前が崩れそうな時は俺が支えてやろう。
何があっても俺だけはお前の傍にいてやる。
そう、決めたんだ。
+++
「いってぇ・・・」
右腕右足の銃弾を引き抜いて、服を裂いて止血する。
血が足んねぇ・・・貧血で目眩しそうだ。
フラフラとなんとか両足で立ち上がり、目の前にある轟々と燃え上がる炎の球体を見た。
きっともうガットは中で焼け焦げてんだろう。
この炎の球体が無くなったら、誰かが墓に埋めるはずだ。
「・・・ばからしい」
同じ匂いがした。
ガットが誰かを慕う姿は、俺が凌を慕うのと同じ匂いがした。
きっとガットが信頼する“ソイツ”も、危なっかしくて、それでも自分にとって大切な誰かだったんだろう。
ソイツの為にwhiteに戻ろうだなんて、つくづくバカだな。
同情のような、ちょっとした罪悪感のような。
そんなものを抱えて踵を返した。
「・・・どこ、行くんだよ?!」
「?!」
聞こえる筈のない声に振り返るより先に、脳に衝撃を受けた。
傾いていく体。
霞んでいく意識の中、炎の球体から無理矢理這い出て火傷や切り傷の酷いガットが視界を過ぎる。
んなバカな・・・
痛みすらも感じないまま倒れる体。
ガットの手に握られた銃が硝煙たなびいているのを見て、悟った。
あぁ、撃たれたのだ、と。