凌ちゃん、凌ちゃん。
私のだーい好きな凌ちゃん。

髪の色がころころ変わったり、時々すっごく綺麗に笑ったり。
泣いたら頭撫でてくれて、優しい言葉をくれる凌ちゃん。

そんな凌ちゃんの彼女になるために、私は日々努力をしています。




可愛い彼女になる条件




条件その@
常に彼の前では笑顔を絶やさず。


「凌ちゃ〜ん!!」

「あー? 何」

「だーい好きッ」

「あーそー」


条件そのA
常に気配りを忘れるべからず。


「見てみてッ 新しい服なのコレ。可愛い?」

「あーはいはい。かわいいかわいい」

「もー! ちゃんと見てる?」

「見てる見てる」


条件そのB
時にツンデレを忘れずに。


「べ、別に凌ちゃんのために可愛くしてるんじゃないからねッ」

「だったら何でまっさきに俺んとこにくんだよ」

「そ、それは・・・」


条件そのC
時々泣いてみるといいでしょう。


「・・・って、オイ。何泣いてんですかお前は」

「な、泣いてないもんッ」

「じゃー何、その目から出てるのは」

「あ、汗!!」

「・・・」


条件そのD
別れ際には照れくさそうにキスを。


「つーか、もう帰ったら? 夕方だし」

「・・・さよならのキスは?」

「しねーよバカ。お前は俺を何だと思ってんだコラ」

「じゃぁ・・・またねのキス」

「意味変わってねぇよボケ」





+++




・・・。
おっかしいなぁ。
これだけ可愛い彼女の条件が揃ってるのに・・・。

ジェスカはぷーっと頬を膨らませ、隣でパジャマ姿のまま本を読んでるチェスカに視線を送る。


「ねぇチェスカ、私可愛い?」


一瞬キョトンとするチェスカが、不機嫌な顔のジェスカを見て、ポツリと呟く。


「・・・その顔は、可愛くないかも・・・」

「・・・」


ぶっ、と頬に含んでいた空気を吹き出した。